ベトナム労働法 試用期間に関する取扱い

2021年1月1日より、改正労働法(法律第45/2019/QH14号)が施行されました。

その中で試用期間に関する変更点と試用期間の実務上の要点について解説します。

1、労働法試用期間の改正点

 (1)本契約とは別に試用期間を締結する他、労働契約の中で試用について

   規定することも可能なことが明確化されました。

 (2)企業において管理職については、180日と他の職務に比べて長めの上

   が設けられました。

2、試用期間に関する要点

 (1)契約書

  書面による雇用契約書の締結が必要になります。

 (2)記載すべき内容

  ・雇用者の氏名と住所、雇用者を代表する締結者の氏名と職務

  ・被雇用者の情報(氏名、生年月日、性別、住所、身分証明書の番号、

   または被雇用者の身元を示す合法的な文書の情報)

  ・職務と職場

  ・給与額、給与の支払い形式と期限、諸手当、その他補充額など

  ・勤務時間、休憩時間、

  ・労働保護設備等の提供

 (3)期間

  ・企業の管理者(経営者の意味を表すものと考えられる)の場合 180日以内

  ・短期大学卒業以上の専門性が必要な業務の場合 60日以内

  ・職業訓練校、専門学校、スキルを有する被雇用者、経験を要する補助的

   な事務業務に就く場合 30日以内

  ・その他 6営業日

 (4)賃金

   ・試用期間の賃金は、試用後に正規の雇用契約を締結する際の85%を

    下回ることはできません。

 (5)契約の解除

   ・試用期間の解除は、労使双方が事前通告や補償の義務を負わず、即日

    実施できます。

   ・不採用を通知する場合、文書でも口頭でも可能ですが、解除合意書を

    を2部作成し、双方で1部ずつ署名保管することをお勧めします。

以上

投稿者プロフィール

西田 俊哉
西田 俊哉
アイクラフトJPNベトナム株式会社・代表取締役社長。
大手生命保険会社に23年の勤務を経て、2005年に仲間とベンチャーキャピタル・IPO支援事業の会社を創業し、2007年に初渡越。現在は会社設立、市場調査、不動産仲介、会計・税務支援などを展開。