労働許可証の更新について(政令152号施行による取扱い)

2020年12月30日付政令152号(152/2020/ND-CP)ベトナムで就業する外国人について規定する政令に基づいて労働許可の申請手続きが変更になっています。同政令は2021年2月15日から施行されています。

今回の改正による変更点は以下の通りです。

1)専門家の定義

・ベトナムでの職務内容に関連する分野での大学卒業証明書あるいは同等の学位を持ち、かつ当該分野において3年以上の実務経験を有する場合

・ベトナムでの職務内容に関連する分野での5年以上の実務経験を有し、かつ当該分野の専門資格を持つ場合

・労働傷病兵社会問題省の要請によって首相が特別に決定する場合

 2)技術者の定義

・技術的分野あるいはその他の分野にて1年以上の専門教育を受け、かつ当該分野での3年以上の実務経験を有する場合

・ベトナムでの職務に関連する分野において、5年以上の実務経験を有する場合

 3)外国人労働者の雇用報告・外国人労働者の雇用主は、本政令の添付文書フォームNo.07/PLIに従って、6か月報告・年次報告を実施するものとする

 6か月報告期日:7月5日まで(報告対象機関前年12月15日~6月14日まで

 年次報告期日:1月5日まで(報告対象期間:前年12月15日~12月14日まで)

 4)労働許可取得の必要がない外国人労働者の条件

労働許可証取得が免除される対象は、2019年労働法第154条および政令152号第7条に定められていますが、代表的なケースを以下に記載します。
a. ベトナム有限会社で30億ベトナムドン以上を出資した外国人
b. 30億ベトナムドン以上の価値を持つ株式会社の取締役会の会長または構成員
c.1回のベトナム滞在期間が30日以下かつ入国回数が年3回までの出張者
d. ベトナム人の配偶者を有し、ベトナムに在留する外国人労働者

 5)労働許可の延長申請

 再発行申請と延長申請が区別されました。延長申請に関しては以下の通り記載されています。

・労働許可証の残余期間が5日以上45日以下をこえていないこと

・外国人労働者の雇用に関する承認を所管官庁により得ていること

・発行された労働許可証の内容に従って、外国人労働者が雇用主のための就労していることを書類にて証明すること

 ところが、延長に関してはすべて新規発行扱いになるとする直轄市、省があります。それぞれの人民委員会によって取り扱いが異なる場合もありますのでご注意願います。現在有効な許可証の期限を迎える場合、多くの人民委員会では過去の労働許可の更新歴を問わず、すべて新規発行扱いになり更新は行われません。

 私の場合は、3月1日がレジデンスカードの期限日でしたが、ホーチミン市人民委員会から応急対応としてとして、1年の就労ビザを付与していただきました。その間に新規の労働許可を取得することになるようです。 そのように人民委員会も柔軟な対応をしていただけるケースもあります。困りの場合はご相談いただきますようお願いします。

以上

投稿者プロフィール

西田 俊哉
西田 俊哉
アイクラフトJPNベトナム株式会社・代表取締役社長。
大手生命保険会社に23年の勤務を経て、2005年に仲間とベンチャーキャピタル・IPO支援事業の会社を創業し、2007年に初渡越。現在は会社設立、市場調査、不動産仲介、会計・税務支援などを展開。