現地子会社採用の外国人を日本に呼び寄せる方法

 親会社が出資しベトナムに現地法人を設立した場合、現地法人の社員を日本に呼び寄せる方法の代表的なケースをご案内します。

1、「企業内転勤」での受け入れ

 「企業内転勤とは、子会社の所属から親会社の所属に変更することによって日本にある親会社に転勤することを指します。給与の水準は日本国内での採用者と同一水準の支給が求められます。特に学歴要件はなく、その子会社で「技術・人文知識・国際業務」に関連する業務に1年以上従事している必要があります。日本で行う業務内容は、他の在留資格である「技術、人文知識、国際業務」で定められている内容に限定されます。

親会社が在留資格認定証明書交付申請を行います。証明書の交付を受けたら、対象の外国人に送付し、現地日本公館でビザを申請し、在留カードを取得します。在留期間は5年、3年、1年、3か月があります。

2、「研修」での受け入れ

「研修」では企業の生産活動や営業活動に携わることはできません。見学や聴講などがメインになります。企業が行う生産活動や営業活動とは切り離された状態で研修活動をすることが求められます。研修の結果として製造された製品等はすべて破棄するなどの処置が求められます。90日以内の「短期滞在」異なり、比較的長期の研修が可能です。6か月、1年程度の研修に活用されます。在留期間は原則1年間までです(延長可能な場合有)。報酬を受ける活動は認められません。

 ①非実務研修

 ・技能等が同一作業の反復のみによって修得できるものではない

 ・年齢が18歳以上で帰国後に修得した技能を要する業務に従事する予定されること

 ・住所地では修得困難な技能を習得しようとすること

 ・受け入れ機関の常勤職員で修得技術の5年以上の経験を有する指導員がいること

 などが求められます。

 ②実務研修を含む研修

 ・公的研修として認められた研修

  国、地方公共団体の期間や独立行政法人が実施する研修など

 ・研修生用の宿泊施設及び研修施設を確保していること

 ・生活指導員を置いていること

 ・研修生の死亡、疾病等に対応する保険への加入などの措置を講じていること

 ・研修施設について安全衛生上の措置を講じていること

3、「短期滞在」での受け入れ

「短期滞在」の受け入れは、「研修」の活動内容とほぼ同一です。滞在期間は90日以内と決められています。長期的な在留資格に比べて比較的簡単に実施できます。受け入れ企業は研修計画を出入国在留管理庁に提出する必要があります。日本商工会議所に所属している企業の場合、比較的容易に受け入れがされます。報酬を受ける活動は認められません。

これらの申請のために必要な書類等は以下の通りです。

① 外国人が用意するもの

 ・査証申請書

 ・写真

 ・旅券

 ・在職証明書・航空券または予約確認書

 ・渡航用支弁能力を証する資料

招聘先が用意するもの

 ・招聘理由書

 ・招聘経緯書

 ・身元保証書

 ・滞在予定表

招聘先に関する資料

 ・登記簿謄本

 ・会社四季報写し(最新版)上場している場合

 ・会社・団体概要説明書

 ・在職証明書

 ・関係を証明できる書類

 その他国籍等によって追加書類が必要になる場合もあります。

投稿者プロフィール

西田 俊哉
西田 俊哉
アイクラフトJPNベトナム株式会社・代表取締役社長。
大手生命保険会社に23年の勤務を経て、2005年に仲間とベンチャーキャピタル・IPO支援事業の会社を創業し、2007年に初渡越。現在は会社設立、市場調査、不動産仲介、会計・税務支援などを展開。