輸出加工企業(EPE)の要件

 先日、レンタル工場を探されるお客様を案内してレンタル工場運営の企業を訪問させていただきました。2021年3月11日発行の政令18号によりEPE要件の厳格化の動きがあることを確認いたしました。今回はその内容をお伝えし、EPEで進出するか、Non-EPEで進出するかの判断材料をお伝えします。

1,輸出加工企業(Export Processing Enterprises)

 「輸出加工区内で設立され、操業している企業」、「工業団地内または経済区内で操業し、製品すべてを輸出する企業」を指します。EPEとしての法人税の優遇措置はありませんが、税法上外国企業とみなされるため、EPE施設とベトナム領土内との物品の移動も通関が必要になります。また、保税工場の扱いを受けるため物品の輸出入関税と付加価値税は免除されます。

2,自由貿易協定等の拡充

2008年にスタートし、2018年ASEANで唯一未発行であったインドネシアも加わった日本アセアン経済連携協定や2022年1月に発効した東アジア地域包括的経済連携(RCEP=アールセップ)と呼ばれる、日本・中国・韓国・ASEAN10ヵ国に、オーストラリアとニュージーランドを加えた15カ国が参加している自由貿易の協定がありますので、この地域の関税は削減され、規制の厳しいEPEとして設立するのか、Non-EPEとして設立するかは慎重に検討が必要と思います。

3,2021年3月発行 政令18号の3つの要件

 EPEの提要条件が厳格化されました。

・外側の領域との間にフェンスなどと出入り口を設け、そこからのみ商品の出し入れを行う。

・出入口及び保管場所を夜間や休日を含め常時監視するカメラシステムを導入している。カメラのデータは、所轄の税関がオンラインで

 アクセス可能であり、EPEに最低過去12か月分を補完する。

・免税となる輸入品の使用状況について、在庫も含めて管理するソフトウェアがある。

以上

投稿者プロフィール

西田 俊哉
西田 俊哉
アイクラフトJPNベトナム株式会社・代表取締役社長。
大手生命保険会社に23年の勤務を経て、2005年に仲間とベンチャーキャピタル・IPO支援事業の会社を創業し、2007年に初渡越。現在は会社設立、市場調査、不動産仲介、会計・税務支援などを展開。