ベトナム不動産の概要説明

1、ベトナムの不動産法制の骨子

ベトナムの憲法53条では「土地は全人民の所有に属する公財産であり、国が所有者を代表し統一的に管理する」としています。そのうえで土地の使用者に対しては、土地使用権(レッドブック)を交付するとしています。

建物に関しては、土地とは独立した不動産として扱われます。一定の制限はありますが、私人(外国人、外資企業も含む)による所有が認められています。

不動産の権利に関しては、天然資源環境省の管轄する土地投機局で登記され、登記内容についての「土地使用権証書(レッドブック)」が発行されます。

2、外資企業の不動産使用

 1)土地の使用

国家からのリース、または工業団地などからのサブリースをして、土地使用権(Land Use Right)を取得します。一方、ベトナム国外に所在がある法人は土地使用権の取得は認められていません。

土地使用権は原則50年以内の期間で設定されます。使用目的が特定されていますので、異なる目的で利用することはできません。当初の目的と異なる場合は、使用目的を変更する必要がありますが、変更できない、時間がかかるなどの制約があります。

2)建物の使用

建物に関しては所有が認められています。居住用物件については、外国人個人の所有が認められます。一方で、ベトナム国内に投資している外資企業については、社宅としての利用目的でのみ所有が認められています。外国人の住宅所有については、区分所有建物の場合、全体の30%までに限定されています。

投稿者プロフィール

西田 俊哉
西田 俊哉
アイクラフトJPNベトナム株式会社・代表取締役社長。
大手生命保険会社に23年の勤務を経て、2005年に仲間とベンチャーキャピタル・IPO支援事業の会社を創業し、2007年に初渡越。現在は会社設立、市場調査、不動産仲介、会計・税務支援などを展開。